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読書生活

読書生活

5歳の頃(療育のはじまり)

自閉症の診断を受けてから、4ヶ月ほどたってから、
少人数の集団療育を3ヶ月、療育センターで受けられることになる。

幼稚園では1クラス20人以上いて、
その人数ではHはどうしても取り残されてしまう。
大勢の中では、雑音で気が散ったり、
興味の対象が多すぎて、落ち着かない。
先生の指示に集中することが難しかったり、
耳で聞いただけの話は理解が苦手だったりするためである。

そこで、まず6人という少人数で、
集団生活のコツをつかんでいくのである。

面談が2回と、集団療育はわずか6回だったが、
非常に有意義な濃密な3ヶ月だった。

幼稚園で、製作の時間などに
何をしたらいいかわからずにふらふらと歩いていたH。

でも、療育の時間はきちんと席について先生の話を聴き、
まちがえずにみんなと一緒に行動できた!
回を重ねるごとに、緊張もほぐれて
どんどん楽しんで取り組んでいけるようになった。

内容的には幼稚園よりも優しいものだけれど、
それは「達成感」をみなに味わってもらうために、
わざとそうしてあるのだ。
発達障害のある子は、「間違えること」がきらいなことが多い。
なのに、他の子よりも間違える確率は高いので
非常に臆病になってしまいやすい。
そんな繊細な子どもたちに「自信」を取り戻させ
楽しんで課題ができるように、工夫されている。

先生は、ひとつひとつの課題を、とても丁寧に説明して、
例をやって見せてから、子どもたちに取り組ませる。
ひとりひとりの特性をよく見ていて、
それぞれにあったようなレベルを考えて、上手に導いてくださる。
子ども同士も、それぞれが普段は落ち着きのない
子どもたちであるのに、友達が課題を終えるのをちゃんと待って
応援までしたりできるのである。

親は子どもたちががんばっている様子を見ながら、
「どうしたら子どもたちの発達の手助けができるか」を
センターの先生の指導の下、話し合ったり
勉強したりしていく。
どの親も、みなとても真剣である。
日常生活の対応の仕方から、福祉に関することまで。

この6回の間に、親子とも一回り成長したと思う!

特に、Hがとても落ち着いてきたと感じる。
たまたま5歳という年齢のせいもあるのかもしれないが、
センターでいろんな経験をつんで、
やる気と自信をつけたのではないか、と思う。

今までぼんやりと混沌とした世界で生きていたHが、
急に最近いろんなことに目覚めてきたように感じるのだ。

友達の顔と名前がよくわかるようになった。
一緒に遊ぶ楽しさを理解できてきた。
言葉がどんどん増えてきて、受け答えも的確になってきた。
(ただ、長い文章はまだ順番がめちゃくちゃになるけれど)
絵本を読んであげると、内容をわかり、字にも興味を持ってきた。
自分で絵本を見ながら話を思い出していた。
なんとDSもできるようになった!?

そして、パニックを起こさなくなった。
いやなことがあっても、我慢ができるようになった!
「まあ、いいか!」などどと言うことができるようになった。
この、「適当にすます」ということは、
なんでもきちんとしていたい、こだわりの強い自閉症児には難しいことなはず。
普通は子どもが「適当にしとこう」などと言ったら
しかるべきだろうが、Hに関しては画期的な成長である!!


1月にはいって行った診察では
「来年度1年間で、かなりのびる可能性がありますね」と
言われ、とても嬉しく思っている。
検査では、IQ89にあがっていた。
言葉もかなり出てきたので、
今の診断は「高機能自閉症」だが、いずれ「アスペルガー」に
なるかもしれないというお話だった。
しかし、今の言語レベルでは、とてもとても・・という感じだが。
診断名はあまり重要ではなく、Hが生活をする上で
困ることが少なくなるような成長を見せてくれることが重要だと思う。


今年は就学問題が出てくるので、
いろいろまた悩むことも多そうだけれど、
Hにとってよりよい進路を選んであげたいと思う。





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